西暦二〇〇〇年は二十世紀最後の年。キリスト教の社会では、カトリック教徒が罪を許される聖年と、キリスト生誕二〇〇〇年、新千年紀への節目となる祝祭年の重なる大聖年になる。総本山になるバチカンでは法王が、二〇〇〇年三月八日を「許しを求める日」と定め、特別行事を行うことになっている。世界中に十億人いるというカトリック教徒が贖罪の機会をもらうことになるのだ。おそらく、バチカンやローマ市内にある教会へ、こうした免罪の旅をするクリスチャンが大勢いるものと想像される。今のところ、その数は例年の三倍にはなり、二千万人を超えそうといわれている。もちろんキリスト生誕二〇〇〇年はプロテスタントにとっても同じなわけで、新たな世紀へ向けて、すでに宣教・伝道の強化策が打ち出されている。もしその宣伝効果が行き渡れば、バチカンへの巡礼客に加えて、一般の観光客も押しかけることになって、人数はもっともっと増えるだろう。それに備えて、バチカンの聖ピエトロ寺院をはじめとするあちこちの建物で、改修工事が始められ、ローマ市内は混乱が続いている。観光客のための駐車場や新しいトンネルの工事まで行われることになったから、三車線道路が一方通行になったかと思えば、これまでと逆方向の一方通行になる道路が出たり、市民の知らない間にあちこちで交通規制が行われたりするのだ。この工事期間の交通システム計画を練った担当者ですら、規制にひっかかって罰金を払ったという笑い話のような実話も伝わっている。
航空機内で飲むワインも、最近は各社ともかなり力を入れている。従来までのハーフボトルに変えて2〜3種類のフルボトルを用意しているエアラインもある。ワインが充実しているのは、オーストリアのオーストリア航空、ドイツのルフトハンザ航空、フランスのエールフランス、アメリカのエアラインならカリフォルニア産のワインが揃っている。本来、ワインは振動を嫌うため、航空機の中はあまりいい条件ではないのだが、それでも最近は、品揃えにかなり気を使うようになってきた。日本航空なども、最近はソムリエ資格を持つスチュワーデスが増え、ワインセレクションも意外に充実している。一方の全日空は日本酒の地酒などを揃えていて、これからは機内食より、ワインや酒の充実度でエアラインを選んだほうがよさそうだ。つまり、かつてのエアラインが“空飛ぶキッチン”とすれば、これからは“雲の上のバーラウンジ”のサービスが主流になるといったほうがいいだろう。
宜野湾市のある個人スーパーでもヒゲなしモヤシを売っていた。そこのオバアちゃんは80歳を過ぎていたが、品がよく物静かで可愛らしい雰囲気を漂わせていた。そのオバアちゃんも店番のついでにヒゲ取りをしていた。そこでは300グラムで100円。オバアちゃんに「モヤシの根っこ取るの大変だね」と声をかけたら、「ボケ防止にもなるし、お客さんも喜ぶからね。あんたも助かるでしょう」とニッコリ笑って答えていた。ヒゲ取りにどのくらい時間を費やすか自分で試してみた。600グラム入りのヒゲ付きモヤシで実験開始。新聞紙を広げ、袋からモヤシを取り出し、山盛りに盛る。1本1本つまんでは黙々とヒゲをちぎるのだが、10分ほどで飽きてきた。モヤシはまだ山盛り。終わりがない作業のようでうんざりする。単調な作業の間、ヒゲを摘み取ったモヤシの山に捨てるべきヒゲを間違ってまぜたりもした。やっと終わり時計を見ると、なんと1時間と18分がたっていた。慣れるともっと早くできるようになるかもしれない。さて、重さを量ってみると485グラム。ヒゲだけで100グラムを超えていたのだ。正確には緑豆の殻の部分も大分含まれている。モヤシのでき具合も関係するようだ。なるほど、たとえ、見た目もよくおいしいといっても、忙しい現代の人間が1時間もかけてモヤシのヒゲ取りに時間を費やすことはしない。スーパーでは、ヒゲの短い太モヤシも売られている。私もヒゲを取る必要のない(と思い込んでいる)その太モヤシを好んで購入している。その晩は時間をかけたモヤシでマーミナーチャソプルー(モヤシ炒め)が我が家のメインディッシュとなった。いつもの太モヤシよりもきれいに仕上がり、モヤシ自体の軽い歯応えが家族に好評だった。